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MIRAI

未来をつくる

投稿日:2026.03.27 更新日:2026.04.01

あいちの離島のキーパーソン紹介【全3回・第3回】あいちの離島の未来を人でつなぐ ― 篠島観光協会の中村さんに聞く

篠島

子供たちとSUPを楽しむ中村さん

愛知県南知多町に浮かぶ篠島。
篠島で生まれ育ち、国内外での経験を経て、再び島に戻り、地域の未来づくりに取り組んでいるのが、篠島観光協会の中村建介(なかむら けんすけ)さんです。

現在は篠島観光協会理事を務めるほか、SUPインストラクターとしての顔も。
現在、「関係人口」をキーワードに、島に関わる人を増やす取り組みを進めています。

今回は、島で過ごした子ども時代から、島を離れた経験、そしてこれからの篠島への想いまでを伺いました。

篠島で子ども時代を過ごす

――ご出身は篠島とのことですが、どんな子ども時代を過ごされましたか?

<中村さん>
小学校高学年になると部活動が始まって、島は人数が少ないので、春は陸上、夏はソフトボール、秋はサッカー、またソフトボール、さらにマーチングバンドのような活動もあって。
時期ごとにやることが変わって、みんな全部やる、という感じでした。

篠島中学校と篠島小学校

勉強はあまり好きじゃなかったですね(笑)
父が教育熱心で、よく逃げ回っていました。

ただ、当時は意識していなかったですが、人数が少ない環境だったからこそ、いろんなスポーツや経験ができたのは大きかったと思います。
一つに絞らず、幅広くやらせてもらえたことは、後になって「ありがたかったな」と感じていますね。

中学生で島を離れ、東京へ

――中学生で東京へ行かれたそうですが、島との違いは感じましたか?

<中村さん>
全然違いましたね。最初は友達も一人もいなくて。
ただ、小学校の部活でやったサッカーが役立って、サッカーを通じて学校に馴染むことができました。

また、勉強も少しずつ頑張って、サッカーと勉強、両方やっていた中学時代だったと思います。

海外留学と島の外での仕事経験

――学生時代から社会人にかけては、どのような道を歩まれてきたのでしょうか?

<中村さん>
中学で篠島を出て東京へ行ってからは、ずっと島の外で生活していました。
その後、アメリカ・ボストンの大学院へ留学しました。

留学時代の中村さん

将来的にはアメリカで働くことも考えていましたが、ちょうどリーマンショックの時期と重なり、日本へ戻ることになりました。

――帰国後は、どのようなお仕事をされていたのですか?

<中村さん>
帰国後は東京で会社員として働き、その後、フィリピンでの仕事にも携わりました。
東京、アメリカ、そしてフィリピンと、環境のまったく違う場所で生活し、働く経験をしました。

その経験は、今、篠島で人と人をつなぐ活動をするうえで、土台になっていると思います。

――そこからどうして篠島に戻る選択をしたのですか?

<中村さん>
戻るきっかけは、祖父母の介護と旅館の経営で、母の負担が大きくなったことでした。
兄弟それぞれ事情がある中で、「今なら自分が一番動ける」と思い、島に戻る決断をしました。

外に出て気づいた「島の子育て環境」

――大人になってから島の良さを感じることはありますか?

<中村さん>

今、島に戻ってきて一番感じるのは、子育てのしやすさですね。人との距離が近くて、顔が見える関係がある。

中村さんが営む篠島観光ホテル大角のワークスペースにて

3歳の子どもが知らないうちに外に出てしまった時に、近所の中学生が見つけて一緒に遊んでくれていたこともありました。

島では自然と助け合いが生まれるんです。

篠島観光協会での活動と関係人口

――現在は篠島観光協会理事となりましたが、どのような想いがありますか?

<中村さん>
観光客を増やすことも大切ですが、それ以上に「島に関わってくれる人」を増やしたいと思っています。
何度も島に来てくれる人、プロジェクトに関わってくれる人、学生も含めて、関係人口を増やしていきたいですね。

島の駅SHINOJIMAの様子

――島外の人には、どのような関わり方をしてほしいですか?

<中村さん>
まずは観光で来ていただくだけでも嬉しいです。
そこで「また来たい」「何か関わりたい」と思ってもらえたら、ぜひ一緒にワイワイガヤガヤしたいですね。

篠島ならではの食とアクティビティ

――篠島に来たら、ぜひ味わってほしい食べ物は?

<中村さん>

やっぱりシラスですね。

篠島でぜひ食べてもらいたい篠島産しらすを堪能できるしらす丼

それ以外にも、鯛、タコ、フグ、大アサリなど、四季ごとに楽しめる海産物がたくさんあります。

――おすすめの体験はありますか?

<中村さん>
夏はSUPですね。
ゴールデンウィーク明けから10月頃まで楽しめます。

篠島のアクティビティの一つSUP

それから、ウミホタルの発光観察会もおすすめです。

ウミホタルふれあい発光観察会で見ることができるウミホタル

篠島の子どもたちが長年ビーチ清掃を続けてきたことで、海がきれいになり、ウミホタルが見られるようになりました。

ウミホタルふれあい発光観察会を楽しむこどもたちの様子

環境と体験がつながる、篠島ならではの取り組みだと思っています。

※SUPやウミホタル発光観察会の詳細はこちら:https://www.shinojima.style

島の魅力とは

――中村さんにとって、篠島の魅力とは?

<中村さん>
 一言で言うと「人」ですね。
篠島の自然や歴史、食べ物はとても魅力があります。

伊勢神宮の御古材を下賜され遷宮が行われる神明神社

ですが、最終的に記憶に残るのは「人」との出会いだと思います。篠島には面白い人がたくさんいます。ぜひ、人に会いに来てほしいですね。

来島した篠島との関りを希望する関係人口希望者と意見交換を行う中村さん

――おすすめのスポットはありますか?

<中村さん>
やっぱりサンサンビーチです。

サンサンビーチの様子

夏は海に入れて、冬は透き通った海をゆっくりと楽しめる。
篠島らしさを一番感じられる場所だと思います。

将来の夢とは

――将来の夢や挑戦してみたいことはありますか?

<中村さん>
島内と島外の人が一緒になって、一つのプロジェクトをやり遂げることです。
その積み重ねが、島の未来につながると考えています。
今後、さらに協力し合って何かを達成できる体験を増やしていきたいですね。

最後に読者へのメッセージ

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

<中村さん>
篠島は、伸びしろしかない島です。
まずは一度来て、島を知って、人に会ってみてください。

篠島の海と夕陽をバックに島民と子供の写真

少しでも気に入ってもらえたら、一緒にワイワイガヤガヤ、面白いことができたら嬉しいです。

・・・

執筆者:矢野 孝治(やの こうじ)/ ウェブスマ代表

プロフィール:企業・自治体・行政に向けて、Web・SNS・メディア・広告を統合したデジタルマーケティングを支援。また「現場で使える実践的なスキル」を伝える専門家として、最新のウェブマーケティングやAI活用に精通する一方、地域の魅力を伝える情報発信も得意とする。東京都新宿区デザインアドバイザー、埼玉県行田市SNSマーケティングアドバイザーなどを通じ地域活性化に尽力。名古屋市ブランドパートナー。あいちの離島の関係人口として、島々の魅力をデジタルの力で支援をサポート。一度行けば、何度も行きたくなる「あいちの離島」の魅力や価値を、多くの人に届けたいという想いを持って活動している。