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MIRAI

未来をつくる

投稿日:2025.12.25 更新日:2025.12.25

篠島でマッチングした関係人口が、島内事業者と自立的な連携を推進―島産海苔の活用、百貨店との協働、料理人育成機関との産地学習など複数の取組が進展―

篠島

篠島×関係人口坂井さんの動きvol.0

1 概要

愛知県では、令和6年度「あいちの離島関係人口持続化・深化事業」において、愛知県都市部在住の関係人口と佐久島・日間賀島・篠島の地域課題解決を目的としたマッチングを実施しました。

令和6年度に篠島でマッチングした関係人口である坂井孝二氏が、島内事業者との連携を発展させ、商品開発、販路拡大、人材育成の複数分野で進めている新たな取組をご紹介します。

篠島から望む松島と夕陽

2 これまでの経緯

坂井氏は食品ロス問題への関心をきっかけに篠島を訪問し、伊勢神宮との1,000年以上にわたる関わり、紫海苔をはじめとする島産品の価値に着目しました。

令和6年度には、篠島のPRのため、篠島産紫海苔を用いた商品開発に挑戦し、名古屋市内の百貨店数店での恵方巻の催事販売において、当初の予想を上回る販売実績を得るなど、島の文化的背景を踏まえたPR手法の有効性が確認されました。

篠島神明神社にて恵方巻に使用する篠島産紫海苔と鰻をご祈祷いただく

3 令和7年度(自走フェーズ)における主な取組状況

(1)島産品を活用した商品開発の推進

島産海苔等を活用した新商品の実現に向け、島内事業者、調理専門学校、百貨店等と連携しながら検討を進行。

島内事業者との意見交換を通じ、保健衛生、製造体制、流通等の課題を整理し、島の実情に即したスモールスタートの販売手法を検証。

この過程で、篠島の文化的背景と商品開発を結び付けたPRモデルが形成されつつあります。

商品化された篠島産紫海苔を使用した鰻恵方巻と販売時に同封した篠島PR資料

(2)百貨店との連携による島のPR・販路拡大

坂井氏の働きかけにより、名古屋市内の百貨店が篠島を訪問し、篠島漁業協同組合、篠島観光協会、しらす事業者(漁師)等と意見交換を実施。

その結果、島産品を扱う催事「篠島フェア(仮称)」の開催(※2025年1月28日~2月3日に星ヶ丘三越にて予定)が決定し、新商品のテスト販売の可能性も検討されています。

篠島では、漁業協同組合、観光協会、まちづくり団体、区会など複数主体がそれぞれ活動しており、島内で組織横断的な連携が課題となっていました。

今回の百貨店との協働は、これらの主体が共通の方向性を持ち、島全体でまとまった活動を進める契機として期待されています。

百貨店が篠島に来島し篠島観光組合・篠島漁業協同組合・しらす事業者(漁師)と打ち合わせ

(3)料理人育成機関との連携による人材確保・産地学習の推進

坂井氏の働きかけにより、名古屋辻学園調理専門学校が11月に篠島でスタディケーションを実施しました。

今後、学生が島の水産事業者と連携してメニュー開発に挑戦します。さらに島内の飲食・宿泊事業者が抱える人材不足や事業承継の課題について意見交換が進み、将来的な修行先・就職先としての受入可能性も検討されています。

同校は「産地とつながる学び」を重視しており、篠島でのスタディケーションを通じたPBL(課題解決型学習)のフィールドとして継続的に活用することを検討されています。

島としても、学生が将来独立した際の島産品の利用など、長期的なPR効果を期待しています。

調理専門学校の学生が来島し島の料理人と一緒に釣った魚を捌き地産地消を学ぶ

4 成果と意義

坂井氏の活動が、販路開拓、人材育成、PRといった複数の分野へ波及し、島の産業や文化を生かした取組に発展しています。

令和6年度のマッチングを起点に、都市部企業・教育機関と島内事業者が直接連携する自走型モデルが形成された点は大きな成果として期待されています。

若手漁業者や島内事業者も主体的に参加し、島の将来を見据えた新たな産業づくり・人材循環の土台形成につながっています。

島の文化の象徴であるおんべ鯛奉納祭

島の産業の象徴であるしらす(しろめ)の水揚げ

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篠島フェア(仮)

開催日:2026年1月28日(水)~2月3日(火)

場所:星ヶ丘三越(名古屋市千種区星が丘元町14-14)

販売品:恵方巻、しらす、紫海苔など島産品

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※催事内容は変更となる可能性があります。