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STUDYCATION

スタディケーション

投稿日:2026.03.25 更新日:2026.03.25

日間賀島×桜花学園大学 スタディケーションツアーレポート

スタディケーション日間賀島

 ― パンフレット制作プロジェクトで、島の魅力をアップデート―

0. はじめに

愛知県の三河湾に浮かぶ島、日間賀島。「たこ」と「ふぐ」の島として知られ、名古屋から約1時間でアクセスできる人気の観光地です。


今回、桜花学園大学の学生たちとともに、1泊2日のスタディケーションツアーを実施しました。目的は、若者向けの観光パンフレットをつくるための現地調査。学生たちが実際に島を巡り、食べて、泊まって、島の人たちと語り合いながら、若い世代に響く日間賀島の魅力を見つけていきます。

日間賀島西港のたこのモニュメント「にっしー」

事前に何度も打ち合わせを重ね、パンフレットの構想や構成を練ってきました。そしていよいよ現地調査へ。島のグルメスポット、お土産屋さん、景色、人々の暮らし。
彼女たちが感じた日間賀島を、彼女たちの言葉で伝える。冬の日間賀島で過ごした2日間の記録をお届けします。

1. 日間賀島へ出発

名鉄名古屋駅から河和駅へ移動し、歩いて5分の河和港へ。河和港で海上観光船に乗っていざ出発です。

船から見える景色



日間賀島西港までは約20分。すっかり季節は冬の装いで、空も冬の色をしています。この日の天気は曇りで、いつもより冬の訪れをしっかりと感じられるようでした。どんなときも美しい海の景色は、ほっと心が休まります。気持ちの良い冬の風を感じながら、あっという間に日間賀島西港へ到着しました。

2. 西港の玄関口 HIMAKAJIMA PORT ひまポ

港に到着して、まず最初に立ち寄りたいのは「HIMAKAJIMA PORT ひまポ」。

日間賀島西港にある船の待合施設「ひまぽ」

日間賀島観光の玄関口で、日間賀島観光協会の事務所と名鉄海上観光船西港切符売り場、広々とした待合室があります。トイレはもちろん、おむつ替え台や授乳室も完備。お子さんと一緒の方も安心です。

「ひまぽ」内には日間賀島観光協会の案内所やパンフレットなどあります

日間賀島の観光案内情報、イベントなどの情報はすべてひまポで知ることができます。島のマップ、飲食店のメニューやチラシ、観光冊子など。島の散策をはじめる前に、まずはひまポに立ち寄って情報収集がおすすめです。

ひまポのおすすめ1つ目、島ノート。

日間賀島での思い出を自由に書いて残しておけるノートです。これは、令和6年度のスタディケーションツアーで桜花学園大学の先輩達が「日間賀島と来島者の交流の可視化」を考える中で日間賀島観光協会に提案し採用された企画になります。「旅の目的・どうして日間賀島を知ったか・誰と来たか・滞在期間・食べたもの・楽しかったこと」などなど…。とにかく自由に島での出来事やあったこと、感想を書いてもらいます。ぜひ日間賀島に行った際は、島ノートに思い出を書き記してください。

「島ノート」には書き方も記載してあります

「島ノート」に記載された日間賀島の想い出



2つ目のおすすめが島みくじ。

日間賀島をもっと楽しむなら、島散策の前にこの島みくじを引いてみましょう。今日の運勢と開運ミッション、そして島の小学生が教えてくれる日間賀島のオススメが書かれています。西港、中央、東港それぞれのオススメポイントやスポットを教えてもらえるので、島散策をはじめる前に運のお告げもいただいておきましょう。

ひまぽ内にある「島みくじ」

「島みくじ」には日間賀島の情報も記載されています



3つ目のおすすめは日間賀島スタンプラリー。

ひまポで台紙1枚100円で購入し、マップを見ながらスタンプ設置場所8ヶ所を巡ります。ひまポのスタンプは最後。日間賀島の素敵な思い出を持ち帰ることができます。

ぜひ日間賀島に来島してスタンプを完成させてください

3. 日間賀島×桜花学園大学 プロジェクト

今回のスタディケーションでは、桜花学園大学の学生の皆さんが若者向けの観光パンフレットをつくるプロジェクトの現地調査を行います。

日間賀島の観光マップ

プロジェクトが始動してから打ち合わせを繰り返し、パンフレットの構想や構成を練ってきました。今回のツアーでは実際にパンフレットに掲載するお店や施設、観光スポットを巡り、写真を撮ったり掲載許可をとっていきます。

日間賀島観光協会の方との意見交換の様子

まずは日間賀島観光協会の皆さんと情報交換。島で行われているイベントや活動、島の情報発信の現状について共有していただきました。パンフレットが完成した際は、ひまポへの設置や配布も予定しています。コミュニケーションを密にとり、今後の連携は必要不可欠です。

4. 島のグルメスポットを調査

日間賀島西港の商店を記録用に撮影する様子

今回巡るスポットは事前にリストアップ済み。順番に回って素材や情報を集めていきます。二手に分かれて島中を一斉調査。その一部を少しご紹介します。



島バル daitome
「島バル daitome」は西港から歩いてすぐにある島bar。洋風な明るい店内では、ランチはもちろんお酒のお供に嬉しいメニューもあります。カウンター・テーブル・テラス席・わんちゃんと一緒のご利用もOK。

島バル daitome」のしらすのアヒージョ

目移りする美味しそうなメニューから、1つ目はタコとしらすのアヒージョ。グツグツアツアツなオリーブオイルに島の美味しいタコとしらすがどっさり。サクサクのバケットにたっぷり乗せていただきます。

島バル daitome」のたこ唐串(写真左)とたこ飯おにぎり(写真右)

食べ歩きにおすすめなのはたこ唐串とたこ飯おにぎり。いろんなお店をちょっとずつ味わいたい、欲張りさんにはピッタリの食べやすいサイズ。ほかにも魚のフライや知多産串カツ、がっつりメニューもお酒もあります。

お店の方への趣旨説明をする学生たち

美味しくいただいた後はお店の方々にパンフレット制作のご説明。快く掲載の承諾をいただいて次のお店へ。



長宝丸

島の美味しい海鮮の天ぷらを揚げたてで食べられる天ぷら屋さん。1本350円から食べられるので、いろんなものをちょっとずつ楽しめるのも嬉しいです。さっそくたちうおの天ぷらを注文。

「長宝丸」の店内

たれ漬けはセルフサービス

「長宝丸」のてんぷら

店内のストーブで暖まりながら待っていると到着。サックサクの天ぷらは、タレか抹茶塩でいただくことができます。揚げたての天ぷらは、お腹いっぱいでも食べれちゃうのが不思議です。

かちまカフェまりんぶるー
海沿いを歩いて散歩して日間賀島南海岸へ。この辺りにお目当てのスポットがあるんだけど…と目の前には階段が。登りはじめるとまだ続く、まだ続く…。やっとの思いで登り切ると、お目当てのカフェがありました。

かちまカフェまりんぶるー」の様子

かちまカフェまりんぶるーは、ひっそりと佇む隠れ家のようなカフェ。海が見える特等席に座ると準備万端。

日間賀島のデザート調査で注文した「たこアイス」と「日替わりカフェ」

ここではお店おすすめのデザートを調査。なんとも不思議なたこアイスと日替わりパフェを注文しました。たことアイスは合うのか…?気になる方はぜひお店に行ってみて。

KITCHEN macha
最後のお店はシーサイドカジュアルレストラン「KITCHEN macha」。10年以上板前をしていたオーナーがオープンした、和風と洋風のどちらも味わえるお店です。

メニュー調査で注文した「KITCHEN macha」のしらす丼

メニュー調査で注文した「KITCHEN macha」のしらす丼

定番のしらす丼やお刺身定食、パスタにシーフードカレー。ドリンクの種類も豊富で、おつまみに嬉しいメニューもたくさん揃っています。南国を思わせるオシャレな店内に、楽しそうに食事をするお客さんの笑顔が目立ちます。今回はしらす丼としらすのオイルパスタをオーダー。

「HIMAKAJIMA SIDER」で乾杯

美味しくいただいた後はHIMAKAJIMA SIDERで乾杯。爽やかで飲みやすいサイダーと青空、これはマストバイです。

5. 島のお土産スポットを調査

島にはいくつもお土産屋さんがあります。たくさんのお土産の中から、おすすめの商品を調査していきます。

日間賀島のお土産を調査する様子①

日間賀島のお土産を調査する様子②

日間賀島といえばたこ。ということで、お土産屋さんにはたくさんのたこグッズが。コロンと可愛いキュートなたこさんたちがお出迎えしてくれます。

日間賀島の象徴資源である様々なたこのお土産①

日間賀島の象徴資源である様々なたこのお土産②

お気に入りのたこグッズを見つけてみてください。

たくさんのお土産の中から、調査隊のおすすめは「鈴円本舗」のせんべい。

東京での全国の島々が集まる「アイランダー」出展時でも人気の「鈴円本舗」のせんべい

職人さんこだわりの食材をつかって店内で手作りされたせんべいは、あまりの美味しさにリピート買いしてしまうほど。

「鈴円本舗」では様々な種類のせんべいを販売①

「鈴円本舗」では様々な種類のせんべいを販売②

おすすめは島風 えびせんべい。食材の味、食感、天然塩で甘みのある塩気が絶品です。定番の高級たこせんべいもお土産にぴったり。ぜひ店内でお求めください。

6. 島の調査はまだまだ続く

本日のお宿は「すずらん」。調査を終えた一行は宿に戻ってほっと一息。しかし、島の調査はまだ終わりません。
すっかり日も暮れて夕食の時間がやってきました。夕食のメインは日間賀島でとれた美味しい海鮮たち。

日間賀島に宿泊しないと味わえない料理を夕食で堪能①

日間賀島に宿泊しないと味わえない料理を夕食で堪能②

豪華なタイのお刺身、カニは一人一杯ずつ。お昼のメニューでは出会えない豪華な海鮮料理は、日間賀島の夜の特権です。思う存分、美味しい日間賀島の夜を味わいました。

7. 日間賀島の皆さんとディスカッション

美味しいご飯の後は、島の皆さんと一緒に本日の活動を振り返り、ディスカッションを行います。島の皆様からいただいた情報は今後のパンフレットのアップデートに大きく関わります。メンバーも真剣に話を伺います。

日間賀島観光協会の方々との意見交換の様子①

「夜におすすめの体験はありますか?」
夜散歩は暖かい時期におすすめ。波の音を聞きながら歩く時間は特別です。冬は寒いけれど、「寒いけどあえて楽しもう」は若い人向けかもしれません。居酒屋のぽんた・あきない・おいでん、週末のみ営業のスナック オクトパスなど、夜を楽しめるスポットもあります。

星空が綺麗に見えるスポットについて、漁師さんが教えてくれました。「海上で見る星空は特別綺麗。冬の星空は格別」。ただ、お客さんに体験として提供するには漁師さんの負担や天候の問題がある。海上タクシーや釣船の活用は可能性があるそう。おすすめは東側のビーチ。地元の人しか知らないスポットもあって、宿泊者限定で案内できる場所もあります。

アクセスについても意見交換。名古屋から河和港へ向かう道のりは「ちょっとテンション下がる景観?」という声も。師崎行きバスの方がコスト安だけど、船とバスの連携が悪く間に合わないこともあるそう。

日間賀島観光協会の方々との意見交換の様子②

暮らしについては、「不便は多いけど、島ならではの体験があるから気にならない」「Amazonは翌日届く」「不便な”時間”はあるが、暮らし自体が不便ではない」という声が印象的でした。

島の課題としては、人口減少と空き家の問題。2030年には500人減少する予測とのこと。関係人口・交流人口を増やすことが最重要という方向性が見えてきました。
参考事例として、長野県のスキー場の星空体験や、佐久島で大学生が夜の海辺でアイスを食べて楽しんでいた話も。何気ないことが体験になる、という気づきがありました。

話しているうちに、日間賀島への理解がどんどん深まっていく。島の人の想い、学生たちの新鮮な視点が交わる時間でした。

8. パンフレットアップデートMTG

2日目の午前中は、ここまで収集した情報や今まで練ってきた構想や構成を整理し共有します。1日目に行った現地調査の情報をもとに、パンフレットに載せる内容を考えていきます。表紙のデザイン、目次の配置、基本情報のページ…一つ一つ確認していきます。

調査内容をまとめている様子①

西港のひまポでは島ノートや島みくじ、スタンプラリーを紹介。気候の情報では「夏は帽子とサングラスで日焼け対策必須」「チルするなら春か秋」「冬は防寒対策して星空散策がおすすめ」といった具体的なアドバイスも盛り込むことに。

交通手段では、名古屋駅から河和港へ行くルートと、車やバスで師崎港へ行くルートを掲載。「コスパ重視ならバスが最安値」という情報も。二次交通は情報量が多い。自転車、トゥクトゥク、キックボード、徒歩、ぐるりーバス…それぞれの特徴をどう見やすく配置するか、レイアウトの工夫が必要です。

調査内容をまとめている様子②

コースは初日&日帰り用と、2日目用の2パターン。グルメページでは「焼きフグは民宿の夕食で食べられるけど、フグの唐揚げは食べ歩きでも楽しめる」といった情報も共有しました。
現地で撮影した写真を見ながら、どこに何を配置するか。みんなで意見を出し合いながら、少しずつパンフレットの形が見えてきました。

9. まとめ

日間賀島は観光スポットとして毎年多くの観光客が訪れる島です。アクセスも良く、暖かいシーズンは特に人気で、幅広い世代の方々が島を楽しんでいます。

たこのデザインを用いた公園の水飲み場

「たこの島」としてフォトジェニックなスポットがあり、グルメも景色も自然アクティビティも楽しめる。多くの幸が生まれ、多くの人の幸せがある。幸せが多くある場所には、福があります。

日間賀島のパワースポット巡りを調査する様子(八幡神社)

日間賀島の魅力はたくさんあります。たくさんのわくわくをどう組み合わせるか、その楽しみ方は何通りもあります。
今回のパンフレットのターゲットは若い世代。
彼女たちが感じた日間賀島の楽しみ方を、彼女たちの表現で伝える。それが今回の大きなポイントです。今この瞬間に感じた日間賀島の魅力を、真っ白のキャンバスに思い描いていく。仕上がりがとても楽しみです。

調査をしながらお店の方々と対話している時の学生の表情

パンフレット制作と現地調査の中で、新たな課題も見えてきました。日間賀島の魅力をもっと発信するためのSNS活用。学生ならではの率直な意見を伝え合い、アップデートしていくことで、これからもっと日間賀島の魅力を知ってもらえるはずです。

日間賀島サンセットビーチ

島の人たちにとっては当たり前のことでも、見方を変えるとワクワクするお土産や思い出になる。それはお金をかけることだけじゃなくて、夜星空を見上げる、そんなシンプルなことだったりもする。新しい、広い視野で日間賀島をみつめて、一緒に日間賀島をアップデートしていく。それが今回のプロジェクトの醍醐味ではないかと感じた2日間でした。

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執筆者:宮田 唯(一般社団法人日本ワーケーション協会)

プロフィール:富山県にて約5年間、まちづくりに従事。横丁というユニークな地域拠点の運営管理をはじめ、国・県・市町村による各種行政事業の企画提案・運営・実施管理、さらには地域イベントや観光・移住促進に関するコンテンツ制作まで、幅広い業務を担う。富山県および県内各市町村が連携する広域ワーケーション推進事業では統括責任者を務め、県内外における多様なワーケーションプロジェクトに実績を持つ。主な監修・制作実績に、富山県公式ワーケーションポータルサイト「めぐるとやま」、富山西部観光連携サイト「富山WEST ワーケーション」など。2024年4月に独立し、現在はフリーランスとして全国の地域プロジェクトに携わる。事業設計からクリエイティブ制作・運用まで一貫して手がける、プロデュースとクリエイティブ双方の実務経験を持つ地域実践者。